高速道路 Express way.
山陽自動車道兵庫県 神戸市−山口県 山口市
(その3f 広島県内:廿日市市−大竹市)
[広島岩国道路]
廿日市JCTからは大竹ICまでは「一般国道2号広島岩国道路」となります。よって、この区間は「山陽自動車道」ではないのですが、実質的に山陽自動車道と一体の路線となっているので、山陽自動車道の延長として取り上げます。日本の高速道路史においては、ある意味曰く付きとなっている路線ではありますが…。なお、文中の記述は若干オブラートな表現をとらせて頂いております…。
廿日市JCT−大野IC
[廿日市JCT]
廿日市JCT。ここから岩国ICまでは山陽自動車道ではなく、「一般国道2号広島岩国道路」に変わります。本線車道を走っていけば、特に料金所もないので、あまり気にしないと思いますが…。
[ここから広島岩国道路]ちなみに、どうしてここだけ高速自動車国道たる山陽自動車道ではないのか?
当時の建設省としては、広島・岩国間の新道路として国道2号BP(広島岩国道路)と山陽自動車道の2路線を建設し、前者を市街地に、後者は山手を通すことを計画していました。しかし、市街地を通す予定だったR2BPの方はルート選定にあたって議論が紛糾し。事業は大幅な遅延を余儀なくされます。結局、R2BPは市の中心部は経由せず、山手の方に通す現在のルートに建設することになりました。
一方、山陽自動車道は山手の方に建設する予定でしたが、R2BPが山手にやってきた以上は同じような路線を2本も建設するのも無駄な話。結局、この付近はR2BPたる広島岩国道路のみが存在し、山陽自動車道は未着工という状態にあります。
[高架橋]全国的には、先に建設した一般国道自動車専用道路を後日に高速自動車国道へ編入するケースが多く見られます。そうなればこのR2広島岩国道路を山陽自動車道に編入させれば良いのですが、この大竹市付近では国会で問題になる事態にもなったうえ、用地買収・アセスメントも「国道2号バイパスとして実施する」という前提でやってきたため、広島岩国道路が山陽自動車道に編入させられたら「話が違う!」とまたまた大問題になりかねません。(ネット上には「住民訴訟になった」という記事も散見されますが、当方が調べる限りちょっと事情は異なるように思います。)
以上のような理由により、この廿日市JCT〜岩国ICの間は「山陽自動車道」ではなく「一般国道2号広島岩国道路」のままとなっています。ちなみに、一般国道自動車専用道路の扱いであるため、通常の高速自動車国道よりも通行料金は割高です。
[大野IC 2km]次の大野ICまで2km。
IC番号は枝番の[32-2]。[32-1]が抜けてしまっていますが、[32]は廿日市JCT、[32-1]は廿日市ICに付番されています。
[80km/h規制]大野ICまで1km。
[大野IC]大野ICを通過します。
国道2号に接続しています。
大野IC−大竹IC
[大竹IC 7km]大竹ICまでは7km。岩国ICまでは16km。
IC番号はそれぞれ[32-3]と[34]。では[33]はどこなの??という疑問がわきますが、それは後ほど…。
[車間確認]
[静かに]「静かに Silently」
騒音防止のための標識ですが、住民訴訟で大問題となった大竹市付近なだけに、この標識が設置された背景も色々とあるのかも…。
[廿日市市・大竹市境界]大竹市に入ります。
カントリーサインは三倉岳。
[玖波第一トンネル]玖波第一トンネルに入ります。
長さは310m。
[玖波第二トンネル]第一があれば第二が当然ある。…というわけで、玖波第二トンネルに入ります。
こちらは特にトンネル延長を示す標識は無し。
画像奥の建物は、メープルヒル病院。広島岩国道路建設時は「大竹新生病院」だったのですが、病院の旧位置が広島岩国道路の建設用地にかかってしまったため、現在の位置に移転しています。
ここでは特段詳述しませんが、個人的には広島岩国道路の歴史を語るうえでも一つのキーとなりうる病院と考えています。実は、この病院には日本道路公団総裁が贈呈した松が植えられていました。その松もその後に枯死してしまったため、現在は枯死した松を用いたオブジェが飾られているのだとか…。
[大竹IC 1km]大竹ICまで1km。
長い防音壁が目に付きます。
[大竹IC]大竹ICを通過します。
このIC番号は[32-2]、次の岩国ICは[34]。
では、間の[33]は何になるのかというと、この先に『建設予定の大竹JCT』の番号になります。
大竹IC−県境
[大竹JCT先]大竹ICを通過し、1kmほど走ると広島岩国道路から山陽自動車道に戻ります。一応、この付近にIC番号[33]の大竹JCTを建設し、山陽自動車道と接続する…という予定にはなっています。
しかしながら、先述の通り「町中の広島岩国道路」「山手を走る山陽道」という明確な役割分担を予定していた当初計画は、「やむをえず山手に変更した広島岩国道路」となってしまった以上、同じように山手を走る山陽道をわざわざ別に建設するかというとあり得ない話です。今では、よくわからないまま広島岩国道路が山陽自動車道に変わるだけとなっています。
[御園トンネル]御園トンネルにさしかかります。
長さは580m。
[小瀬川]御園トンネルを通過すると、橋梁が続きます。
下に県境である小瀬川が流れており、小瀬川を渡ると山口県に入ります。調査日:2010/5
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